30代は、人生の中でも特に大きな変化が訪れるタイミングです。結婚、出産、住宅購入など、ライフイベントが次々とやってきて、家族を守る責任も増していきます。
そんな中で、生命保険はあなた自身と大切な人を支える安心の土台になります。「でも、保険って種類も多いし、自分に合うものがわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、30代に必要なリスクへの備え方とおすすめの生命保険、ライフスタイル別の選び方までをわかりやすく解説します。
30代に生命保険が必要である理由
30代は、結婚・出産・住宅購入・転職といったライフイベントが重なりやすい時期であり、同時にリスクへの備えが必要になる年代でもあります。
健康や収入に自信がある人でも、病気やケガ、万が一の事態が突然訪れる可能性はゼロではありません。だからこそ、この時期に「どんなリスクがあるのか」「どのように備えるべきか」を考え、生命保険を検討することが大切です。
実際、厚生労働省の「令和6年(2024)人口動態統計」によると、30代の自殺を除く主な死因は「がん(悪性新生物)」や「心疾患」であり、20代と比較して健康リスクが着実に高まっています。
また、働き盛りでありながら家族を支える責任が増える世代でもあるため、何かあったときに家計が崩れてしまわないよう、早めの備えが必要です。30代から生命保険を検討することで、将来への安心と家族の安全を確保する一歩となります。
このように、30代はリスクへの備えと保障の見直しに適した時期です。健康で元気な今こそ、自分と家族の未来のために生命保険への加入を前向きに検討していきましょう。
【関連記事】
生命保険とは?4つの種類から仕組みや必要性についてわかりやすく解説
生命保険は不要?必要性が高い人の特徴と未加入によるデメリットを解説
病気や怪我のリスクが高まる
30代になると、20代と比べて病気やケガに見舞われるリスクが徐々に高くなります。生命保険文化センター「2022年度生活保障に関する調査」によると、直近の入院時にかかる自己負担費用は1日あたり平均20,700円とされており、想定外の出費に直面する可能性もあります。
会社員や公務員であれば高額療養費制度や傷病手当金などの公的保障を利用できますが、すべてをカバーできるわけではありません。その不足分をどう補うかは、保険や貯蓄で個々に備える必要があります。
実際、病気やケガに備えて医療保険(疾病入院給付金が支払われる生命保険)に加入している30代は全体の約67.7%にのぼり、多くの人が保障の必要性を感じていることがわかります。
万が一に備える必要性が高まる
30代で考えておきたいもう一つの大きなリスクは、「もし自分に何かあったら」という事態への備えです。特に一家の大黒柱である場合、死亡や就業不能が家庭に与える影響は深刻です。
独身でも、葬儀費用や残された家族の手間を考えると備えは必要といえるでしょう。
具体的には、遺族年金や勤務先の退職金、配偶者の収入など公的・私的収入を基に、必要な生活費との差額を計算し、足りない分を生命保険で補う設計がポイントです。
生命保険文化センターによると、万が一亡くなってしまった場合の保障を生命保険でカバーしている30代の方は65.5%にのぼり、預貯金や公的制度に次ぐ主要な手段として活用されています。
子供の教育費が必要になる
30代は子育てが本格化する時期でもあり、教育費の備えは避けて通れません。文部科学省のデータによると、子ども1人を幼稚園から大学まで全て国公立で進学させた場合でも約843万円、幼稚園から大学(文系)まで私立の場合約2,389万円の教育費がかかるとされています。
参考:令和5年度子供の学習費調査|文部科学省
参考:令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について|文部科学省
また老後に必要な生活費については、65歳以上の単身無職世帯の平均消費支出額が月145,430円、夫婦無職世帯で月250,959円とされており、将来的な資金確保も見据えた長期的な計画が必要です。
「まだ早い」と思いがちな30代だからこそ、今から備えておくことが将来の安心に直結します。
参考:家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)|総務省統計局
30代で生命保険に加入する人としない人の理由
30代になると、生命保険に加入する人としない人の判断が大きく分かれてきます。その背景には、家族構成やライフスタイル、経済状況の違いがあります。
ここでは、生命保険に対して、「加入する理由」と「加入しない理由」について具体的なデータをもとに紹介し、30代にとってどのような判断がなされているのかを整理していきます。
生命保険におけるそれぞれの理由
「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険に加入している30代の理由として最も多いのは、「万一のときの家族の生活保障のため」(67.6%)です。結婚や出産などで守るべき家族が増える30代は、自分に万が一のことがあった際に、家族の生活が維持できるよう備えたいという思いが強くなります。
一方、加入していない理由としては、「経済的余裕がない」(47.8%)が最多で、保険料の負担を現実的に感じている人が多いことがうかがえます。
次いで「現時点では生命保険の必要性をあまり感じない」(31.2%)という声もあり、独身や扶養家族がいないなど、生活背景によって優先順位が低くなるケースも少なくありません。
必要性を感じたときに備えられるよう、情報収集と検討を早めに進めておくことが大切です。
医療保険におけるそれぞれの理由
同調査での加入理由2番目に多かったのが「医療費や入院費のため」(43.4%)となっており、30代の多くが医療リスクへの備えを重要視していることがわかります。
医療費の自己負担や、入院に伴う収入減に備えたいという意識は年齢とともに高まっており、医療保険や医療特約付きの生命保険に加入することで、実質的な不安軽減を図っていると推察されます。
【関連記事】
生命保険と医療保険はどう違う?種類やどっちに入るべきかを徹底解説
30代の生命保険加入状況と保険料の相場
30代になると、周囲でも生命保険に加入する人が増えてきて、「自分は入るべきなのか」「みんな毎月どれくらい支払っているのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、生命保険文化センターの調査結果をもとに、30代の生命保険加入率と平均保険料について解説します。
生命保険に加入している割合
生命保険文化センターが2023年に発表した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、30代の生命保険加入率は、男性が81.5%、女性が82.8%でした。
この調査では、民間の生命保険会社をはじめ、郵便局やJA(農協)、都道府県民共済・生協等が取り扱う生命保険・生命共済の加入状況が対象であり、個人年金保険やグループ保険、財形保険などは含まれていません。
この結果から、30代の約8割以上が何らかの生命保険に加入しており、多くの人が病気やケガ、死亡といった将来のリスクに備えていることがわかります。ライフイベントが増える年代にとって、保険の備えはおすすめの行動といえるでしょう。
生命保険の平均払込保険料
同じく「2022年度 生活保障に関する調査」によると、30代の年間払込保険料の平均は、男性が19万9,000円、女性が14万円です。これを月額に換算すると、男性はおおよそ16,583円、女性はおおよそ11,667円となります。
この数字は、民間の生命保険や共済などに加入しており、実際に保険料を払っている人の平均額をもとに算出されたものです。30代は収入が安定し始める時期でもあり、保険料を無理のない範囲で支払いながら、将来へのリスクに備えている様子がうかがえます。
30代におすすめな生命保険
30代は、仕事や家庭といった生活の基盤が整い始める一方で、さまざまなリスクに備える必要が出てくる年代です。
特に「病気やケガによる医療費」「予期せぬ死亡」「収入の減少」「子どもの教育費」といった項目は、将来の安心を支える重要な要素となります。
ここでは、それぞれのリスクに対してどのような生命保険で備えるべきかをわかりやすく解説します。
1. 病気や怪我に備える保険
年齢とともに病気やケガのリスクは高まり、30代から医療費への備えを意識し始める方が増えています。
特に女性では30代後半から乳がんの罹患率が上昇し、がんは治療が長期化する傾向もあるため、医療費が大きな負担になるケースも少なくありません。たとえ公的医療保険を利用しても、保険適用外の先進医療費や通院費、差額ベッド代などは自己負担となります。
こうした医療リスクに備えるには、「医療保険」や「がん保険」などの保障がある生命保険への加入がおすすめです。30代の健康なうちに加入することで、保険料を安く抑えられる点もメリットです。
2. 万が一に備える保険
もしものときに家族を支えるためには、死亡保障のある保険で備えることが大切です。葬儀費用やお墓代に加えて、遺された家族の生活費や子どもの教育費など、多くの出費が想定されます。特に30代は結婚・出産を経験し、扶養する家族がいる人が多く、保障の準備が急務になります。
死亡保障を備える生命保険としては、「終身保険」「定期保険」「収入保障保険」などがあります。これらの保険では、被保険者が死亡または所定の高度障害となった場合に、保険金を受け取ることができるため、家族の経済的な支えになります。
3. 収入減少に備える保険
病気やケガによって長期間働けなくなった場合、生活費や医療費が家計を圧迫する恐れがあります。特に自営業の方などは、傷病手当金などの公的保障がないケースもあり、リスクはより大きくなります。
このような収入減に備えるには、「就業不能保険」への加入が効果的です。保険会社の定める就業不能状態となった場合、一定の給付金が支払われることで、家計へのダメージを軽減することができます。
30代のうちから準備しておくことで、安心して働き続けるための土台が整います。
4. 子供の教育資金に備える保険
子どもがいる30代にとって、教育資金の準備も重要なテーマです。大学まで進学する場合、数百万円単位の費用が必要になるため、早い段階から計画的に積み立てておくことが求められます。
その手段としておすすめなのが「学資保険」や「終身保険」の活用です。学資保険は契約者である親に万が一のことがあった際に以降の保険料が免除されることが多く、計画的に教育資金を準備できます。
また、「低解約返戻金型終身保険」は同じ保障内容の通常の終身保険に比べて保険料が割安で、満期や解約時に返戻金が得られるため、教育資金として活用しやすい保険のひとつです。
30代の生命保険加入で押さえるべきポイント
生命保険を選ぶとき、なんとなく選んでしまうのではなく、「今の自分に本当に必要な保障は何か?」を明確にすることが大切です。
特にライフイベントが多い30代は、目的や生活スタイルに応じた保険設計が求められます。ここでは、保険選びの際に意識したい3つのポイントを紹介します。
ライフスタイルに合わせた保険選びをする
生命保険は、目的とライフスタイルに応じて選ぶのが基本です。たとえば、入院や手術などの医療費をカバーしたいなら「医療保険」、働けなくなったときの収入減に備えたいなら「就業不能保険」が適しています。
また、保障がどれくらいの期間必要かも重要な判断軸です。ずっと保障が欲しい場合は「終身保険」、子育て期間など一定の期間だけ保障があればよい場合は「定期保険」がおすすめです。
30代は将来の設計がはっきりしてくる年代なので、自分の人生設計に沿った保険選びを意識しましょう。
公的保険内容を把握しておく
保険を選ぶ前に、まずは国の制度でどんな保障が受けられるのかを知っておくことが大切です。公的保険には、遺族年金や高額療養費制度、傷病手当金など、いざというときに役立つ制度が整備されています。
たとえば、万が一の備えとして死亡保険を検討する際には、自分が遺族年金をどれくらい受け取れるかを把握し、その上で足りない分を民間の生命保険で補うという考え方が合理的です。
過不足のない保障をつけるには、公的制度とのバランスがカギになります。
保障と保険料のバランスで決める
保障が手厚いほど安心感は高まりますが、その分保険料も高くなります。特に30代は、住宅ローンや子育てなどの支出が増える時期でもあるため、毎月の支払いが家計に無理のない範囲で収まることが大切です。
無駄な保障が付いていないか、逆に本当に必要な保障が抜けていないかをチェックしましょう。保障と保険料のバランスがとれた設計が、長く安心して続けられる保険の選び方です。
30代でライフスタイル別に見る生命保険の選び方
30代は、人生の節目を迎えるタイミングが多く、家族構成や働き方によって必要な保障内容が大きく変わってきます。
同じ年代でも「独身」「夫婦のみ」「子育て中」では備えるべきリスクや保険の優先順位が異なるため、自分のライフスタイルに合った保険を選ぶことが重要です。
ここでは、30代の状況別におすすめの生命保険の考え方を紹介します。
独身・一人暮らしの方
独身の30代は、自分の体調や収入を支える備えが中心になります。医療費の負担に備える「医療保険」や「がん保険」は、入院や通院にかかる費用をカバーするための基本となります。
特に女性は30代後半から乳がんなどのリスクが高まるため、女性疾病に対応した保障内容を含めると安心です。
また、病気やケガで働けなくなったときの収入減少に備える「就業不能保険」もおすすめです。
さらに、自身に万が一のことがあった場合に備え、葬儀費用をカバーできる少額の死亡保険を検討するのも有効です。必要な保障を絞りつつ、無理のない保険設計を心がけましょう。
【関連記事】
生命保険は独身にはいらない?必要性と加入すべき保険の選び方を解説
結婚・パートナーがいる方
パートナーと2人暮らしの場合、相手への経済的な配慮が保険選びのポイントになります。たとえば、自分が世帯主や主な収入源である場合、「終身保険」「定期保険」「収入保障保険」などの死亡保険で遺されたパートナーの生活費を確保しておくことが大切です。
また、入院や通院による医療費への備えとして「医療保険」や「がん保険」、「就業不能保険」なども併せて検討すると安心です。
妊娠を希望している女性の場合、妊活や妊娠後に保険加入が制限されることがあるため、早めの加入がおすすめです。医療費の備えだけでなく、将来の家族構成の変化も見据えた保険設計を行いましょう。
子どもがいる方
子育て世代の30代は、保障の重要性がさらに高まります。自分に万が一のことがあった場合、家族全体の生活費や教育資金の確保が必要となるため、「死亡保険」や「就業不能保険」は優先的に検討したい保険です。
また、医療費への備えとして「医療保険」や「がん保険」、子どもの将来に向けての「学資保険」も視野に入れると良いでしょう。
特に希望する進学ルートや子どもの人数によって教育費は大きく異なるため、必要な保障内容を家計全体で見直すことが大切です。また、住宅ローンを組む際に「団体信用生命保険(団信)」に加入している場合は、死亡保障の重複に注意し、保障額の調整も検討しましょう。
ライフプランに合わせて複数の保険を併用するのが“おすすめ”です。
30代の生命保険加入に関するまとめ
30代は、人生のなかでも多くの転機を迎える時期です。そのため、万が一に備えて生命保険への加入を検討する人が非常に多く、実際に加入率は男女ともに8割を超えています。
死亡や病気、ケガといった健康リスクに加えて、長期療養による収入減少や子どもの教育資金といった将来的な負担への備えも重要です。
こうしたリスクに対応するには、自分のライフスタイルや家族構成、家計状況に合った保障内容を選ぶことが大切です。
たとえば、独身なら医療費や収入減への備えが中心になりますが、家庭を持つ方であれば、万が一の保障や教育資金の準備など、より広い視野での保険設計が求められます。生命保険は、加入時期が若いほど保険料が抑えられる傾向にあるため、30代のうちに検討を始めておくのがおすすめです。
とはいえ、「どの保険を選べばいいかわからない」という方も多いでしょう。そんな時は、スマートフォンやタブレットで簡単に診断できる「ほけチョイス」の活用がおすすめです。
簡単な質問に答えるだけで、あなたにぴったりの生命保険プランを提案してくれます。また、診断後には弊社の営業担当が補足説明や見積もり作成を行い、納得感のある保険選びをしっかりサポート。
数ある情報サイトの中でも、「ほけチョイス」は実用性とわかりやすさを兼ね備えた新しい保険選びの選択肢です。
まとめると、30代の生命保険選びでは、ライフスタイルに合った保障設計がカギになります。早めに検討し、自分にとって本当に必要な保障を確保することが、将来の安心につながります。
「どれが正解かわからない」と迷った時は、「ほけチョイス」を使って、今の自分に合った生命保険を見つけてみてください。