40代は、家庭や仕事の状況に大きな変化が生じやすく、生命保険の見直しや新規加入を検討する人が増えるタイミングです。
住宅ローンや子どもの教育費、親の介護といった新たな負担がのしかかる一方で、将来の健康リスクへの不安も高まり、「保険を見直したいけれど、どこから手をつけていいかわからない」と悩む人も少なくありません。
そんな40代にとって、自分のライフスタイルや家族構成に合わせた保険選びはとても重要です。独身か既婚か、子どもがいるかどうか、夫婦共働きかなど、それぞれの状況に応じて「本当に必要な保障内容」は異なります。
保険料の負担を抑えながら、いざというときにしっかり備えるためにも、自分に合った保険を知っておくことが必要です。この記事では、40代におすすめの生命保険をライフスタイル別に分かりやすく解説します。
男性・女性別や家庭の状況に応じて、どのような保障が必要かを丁寧にご紹介します。今のあなたにぴったりの保険を見つける第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。
40代の生命保険加入状況
40代は、将来のリスクに備える意識が高まる世代であり、多くの家庭が生命保険に加入しています。生命保険文化センターの調査によると、世帯主が40代前半の世帯での生命保険・個人年金保険の加入率は86.8%、40代後半では92.7%にのぼります。
さらに、50代・60代にかけてもその水準はほぼ維持されており、40代から保険による備えを始める家庭が多いことがうかがえます。
このように、40代は保険加入の転機となる時期であり、今後のライフイベントや健康リスクに向けた備えを具体的に考えるタイミングといえるでしょう。
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医療保険に加入している割合
医療費に対する不安から、40代では医療保険に加入する人が増えています。生命保険文化センターの調査では、医療保障を保険でカバーしている人の割合は、50代が最も高いものの、40代もそれに迫る水準です。
年齢が上がるにつれて、預貯金で備えるよりも、生命保険や損害保険を活用して備えるという考え方が強くなる傾向にあります。
特に、40代では病気やケガによる入院リスクを見据えて、医療保険を見直す人も少なくありません。
がん保険に加入している割合
がん保険については、40代~50代で加入率がピークを迎えます。生活保障に関する調査によると、世帯主年齢が40代のがん保険加入率は男性が46.4%、女性が50.6%と、ほぼ2人に1人が加入している状況です。
30代後半からがんの罹患リスクが高まり始めることもあり、40代はがん保険のニーズが高まる年代といえるでしょう。治療費の負担や通院の長期化といった不安に備えて、がん保険を取り入れることは、有効な選択肢のひとつです。
40代の年間払込保険料の相場
40代は保険への意識が一段と高まり、実際に支払う保険料も家計の中で大きな割合を占めるようになります。
ここでは、40代が1年間に支払っている生命保険料の平均額と、万が一の際に備える死亡保険金額の相場について詳しく見ていきましょう。自身や家族を守るための備えとして、支出と保障のバランスを考える際の参考になります。
40代の年間払込保険料
生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によれば、40代の2人以上世帯における年間平均保険料は371,000円という結果になっています。
これは月額に換算するとおよそ31,000円となり、家計の中でも大きな支出項目であることが分かります。住宅ローンや教育費と並び、将来への備えとして重視されている支出であることがうかがえます。
40代の死亡保険額
また、同調査で世帯主の年齢別に見ると、死亡保険金額の平均額は40〜44歳が2,475万円、45〜49歳が2,313万円と、40代が最も高い水準となっています。40代は結婚や出産、子どもの進学など家庭の責任が大きくなるタイミングであり、死亡保障をより手厚くする人が増える年代です。
扶養する家族が多いほど、残される家族の生活費や教育費への備えが重要になるため、高額な保障を設定する傾向が見られます。
まとめると、40代は保険料支出も保障額も最も厚くなる時期であり、必要な保障を見直しつつ、自分に合った生命保険を選ぶことが大切です。将来の安心のためにも、家族構成やライフプランに合わせた見直しがおすすめです。
40代におすすめな生命保険
40代はライフスタイルや家族構成が大きく変化しやすい時期であり、それに伴って必要な保障内容も多様化します。将来に向けて安心を得るためには、自身の状況に合った生命保険に見直すことが重要です。
この年代では「万が一への備え」「病気やケガによる入院費の備え」「長期間働けない状態への備え」「がんリスクへの備え」といった複数の視点から保険を検討する必要があります。それぞれのリスクに対してどのような保険商品が有効かを理解し、自分に合ったプランを選ぶことが、安心につながる第一歩です。
40代の方が生命保険を選ぶ際には、将来の不確実性を見据えながら、目的に応じた保険をしっかり検討することが大切です。
1. 万が一に備える保険
40代でまず考えておきたいのが、自身の万が一に備える死亡保障です。とくに家族を支える立場であれば、その重要性は一層高まります。
万が一のリスクに備える保険には、大きく分けて「終身保険」と「定期保険」の2種類があります。
終身保険は一生涯の保障が続くため、葬儀費用の準備や将来的な貯蓄の代わりにも活用できます。一方で、保険料は同じ保障内容の定期型と比べてやや高めになる傾向があり、解約のタイミングによっては元本割れのリスクもあるため、加入時には継続的な支払いが可能かをよく検討することが必要です。
定期保険は保険期間が限られるものの、同じ保障内容の終身型と比べて手頃な保険料で大きな保障が得られます。育児や住宅ローンなど、一定期間の家計を支える目的には非常に有効です。
40代の方にとっては、保障内容と保険料のバランスを見ながら、自身の役割や家族構成に合った保険タイプを選ぶことが重要です。
2. 病気や怪我の入院に備える保険
病気やケガによる入院リスクに備えることも大切です。40代は健康リスクが増加する年代であり、突然の入院に備えておく必要があります。
医療保険は、公的医療保険ではカバーしきれない入院時の差額ベッド代や先進医療費、通院の交通費、食事代などを保障してくれる商品です。特に40代になると、慢性的な疾患やがんなどの発症リスクが上がるため、長期入院への備えが必要です。
日額給付型や一時金タイプなど、自身のライフスタイルに応じて選べるプランも多いため、必要な保障内容を見極めることが大切です。
健康なうちに医療保険に加入しておけば、将来のリスクに対して備える安心材料となります。
3. 就業不能時に備える保険
病気やケガにより長期で働けなくなるリスクも、40代が考慮すべきポイントの一つです。特に家計を支える立場であれば、就業不能時の収入減少に備えることは不可欠です。
就業不能保険は、所定の就業不能状態になった際に一定期間給付金が受け取れる保険です。入院や治療だけでなく、医師の指示による在宅療養が対象になるプランもあり、医療保険でカバーしきれない生活費を補う役割を果たします。
ただし、精神疾患などが保障対象外となることもあるため、加入前には保障内容と条件をしっかり確認しておく必要があります。収入の柱として家計を支える方にとっては、生活の安定を守る大切な備えになるでしょう。
4. がんのリスクに備える保険
がんは誰にでもかかる可能性のある病気であり、特に40代になるとそのリスクが急増します。医療費や治療期間の長さを考えると、がんに特化した保険を検討する価値は十分にあります。
がん保険は、がんと診断された際にまとまった一時金が支払われたり、入院や通院に応じた給付を受けられる商品です。再発や転移など治療が長期にわたるケースもあるため、金銭的な負担が大きくなる前に備えておくと安心です。
特に女性は乳がんや子宮がんなどの罹患リスクが高まるため、女性向け特約があるプランを選ぶのもおすすめです。40代のがん保険加入は、将来の安心と経済的な安定を守る重要な手段となります。
40代のライフスタイル別生命保険の選び方
40代はライフステージにより、必要な保障や保険の優先順位が大きく変わる年代です。独身・共働き夫婦・子育て家庭・男女別の視点から、それぞれに合った生命保険のおすすめの選び方を見ていきましょう。
40代独身の場合
40代の独身者は、自身の病気やケガ、就業不能による収入減少に備えることが重要です。特に、誰かに経済的に頼ることができない状況では、自助努力による備えが求められます。
医療保険やがん保険は、入院や手術などの医療費に対応できる基本的な保障としておすすめです。たとえば、国立がん研究センターがん情報サービスの情報を見ると、40代男性は糖尿病の疑いが高まり、女性は乳がんの罹患率が40代後半からピークを迎えるなど、年齢とともに健康リスクが増加する傾向があります。発病後は保険に入りづらくなるため、健康なうちに加入を検討するのが賢明です。
また、長期間働けない状態になった場合の備えとして就業不能保険も有効です。加えて、扶養する親や子どもがいる場合には、死亡保険によって生活資金を遺すことも検討対象になります。
まとめると、独身でも生活に必要な医療・収入・死亡のリスクに応じて保険を整備することが、安心した40代を過ごすカギとなります。
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共働き夫婦
40代の共働き世帯では、収入の多い方に手厚い死亡保障を用意することがポイントです。不測の事態があっても、家計への影響を最小限に抑えることができます。
医療保険に関しては、貯蓄が豊富であれば貯金で医療費に対応する選択肢もありますが、心理的な安心感を得たい方には最低限の保障を備える医療保険の併用がおすすめです。
共働きであっても、一方に万が一のことがあれば、もう一方の負担は大きくなります。お互いにどの程度の保障があれば安心できるかを話し合いながら、必要十分な保険を選びましょう。
つまり、共働き夫婦の場合は「リスクの偏り」と「収入バランス」に着目しながら、柔軟な生命保険設計を行うのがおすすめです。
子どもがいる家庭
40代で子どもがいる家庭では、教育資金の確保と、世帯主に万が一のことがあった場合の備えが重要です。特に子どもが幼い家庭では、教育プランに応じた長期的な保障が必要となります。
死亡保障については、子どもの進学や生活を支える費用として、数千万円単位の保障を準備しておくと安心です。学資保険や終身保険を活用することで、教育資金と死亡保障の両面に備えることができます。
また、配偶者が専業主婦(夫)か働いているかによっても必要な保障は異なります。働いていない場合には、家庭の貯蓄で補えるかを確認し、必要に応じて医療保険や就業不能保険を追加することを検討しましょう。
子どもがいる家庭では、ライフプランと家計状況に応じて、多角的に生命保険を設計することが「守りの要」となります。
男性の場合
40代男性は、仕事や家庭での責任が増す一方で、健康リスクも高まる年代です。以下は、厚生労働省「令和5年 患者調査」に基づく40代男性の入院理由上位5つです。
順位 | 疾患分類 |
---|---|
1位 | 精神及び行動の障害 |
2位 | 神経系の疾患 |
3位 | 循環器系の疾患 |
4位 | 損傷、中毒及びその他の外因の影響 |
5位 | 新生物(腫瘍) |
精神疾患が1位となっており、職場や家庭におけるストレスやプレッシャーが影響していると考えられます。また、生活習慣病やがんのリスクも無視できません。
こうしたリスクに備えるには、医療保険やがん保険による入院・手術費のカバーが重要です。さらに、うつ病などで長期間働けなくなるケースを考慮し、就業不能保険の活用も検討したいところです。
加えて、老後資金の形成を視野に入れた年金保険や積立型保険も、40代からの早めの準備が効果的です。
女性の場合
40代女性もまた、複数の役割を抱える中で心身に大きな負荷がかかる年代です。以下に、厚生労働省「令和5年 患者調査」から見た40代女性の入院理由上位5つを紹介します。
順位 | 疾患分類 |
---|---|
1位 | 精神及び行動の障害 |
2位 | 新生物(腫瘍) |
3位 | 神経系の疾患 |
4位 | 循環器系の疾患 |
5位 | 消化器系の疾患 |
精神疾患は女性でも最多で、家事・育児・仕事といった複合的な負担から心身のバランスを崩しやすいことが示唆されています。また、40代は乳がん・子宮がんといった女性特有のがんリスクも高まる時期です。
これらに対応するには、女性特有の疾病に備えた医療保険やがん保険の活用が不可欠です。さらに、家計や介護への備えとして、老後資金を形成できる積立保険や年金保険も合わせて検討しましょう。
出産・育児・介護といった多様なライフイベントに直面する40代女性にとっては、保障内容に柔軟性のある保険設計が望まれます。
40代で新たな生命保険に加入する時の流れ
40代で新たに生命保険への加入を検討する際は、保障の内容だけでなく、ご自身の生活環境や将来設計に合わせた選び方が重要になります。
とくに「入院給付金の設定」「保険期間の設定」「保障内容・特約の精査」は、どれも生命保険を安心して活用するうえで欠かせない3つの視点です。
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
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1. 入院給付金の日額と支払限度日数の検討
医療費の自己負担は、公的医療保険制度を活用すれば原則1~3割に抑えられますが、実際の入院生活ではそれ以外にも多くの出費が発生します。たとえば、差額ベッド代、入院中の食事代、交通費などはすべて自己負担となり、治療内容によっては高額療養費制度でもカバーできないことがあります。
厚生労働省「令和5年患者調査」によると、35〜64歳の入院日数の平均は20.2日です。この期間中にかかる費用を想定し、必要な入院給付金を設定する必要があります。
入院時の保障額を試算する際は、「入院中の収入 - 入院に伴う支出 = 必要保障額」という考え方が基本です。特に長期入院では、就業不能による収入減にも備えなければなりません。
現在の家計状況とリスクに応じて、1日あたりの給付金額や支払限度日数を無理なく設定することが、40代の生命保険選びでは重要です。
2. 保険期間を検討
次に考えるべきは、保険の保障期間です。生命保険には「定期型」と「終身型」があり、それぞれメリットが異なります。
定期型は一定期間だけ保障が続くかわりに、同じ保障内容の終身型と比べて保険料を抑えられる点が魅力です。一方で終身型は一生涯にわたる保障が確保できる反面、同じ保障内容の定期型と比べて保険料はやや高めに設定されています。
40代は、教育費や住宅ローンなどの出費が重なりやすい年代でもあるため、保険料負担が将来にわたって続くことも考慮しながら選びましょう。とくに老後も保障が必要と感じる場合は、終身型を選択することで安心につながります。
加入時の年齢が保険料に直結するため、早めの検討がコスト面で有利になります。
3. 保障内容や特約を検討
最後に、保障の中身と特約の有無をしっかり確認しましょう。多くの生命保険は、基本保障に加えオプションとして特約を追加できますが、それが本当に必要な内容かを見極めることが大切です。
とくに過去に加入した保険がある場合、保障内容が重複していないかをチェックしましょう。
また、子どもの成長や親の介護、家族構成の変化など、40代はライフイベントが多い時期です。状況が変わったときには、それにあわせて保障内容も見直すのが理想的です。
加入後も定期的に内容を精査し、必要な保障を無駄なく備えられる設計にしておきましょう。
40代におすすめな生命保険のまとめ
40代は、健康リスクの上昇や家庭環境の変化が重なりやすい人生の節目です。そのため、自分や家族を守るためにどのような生命保険に加入すべきかを見極めることがとても大切です。
特に、突然の入院や就業不能などで収入が途絶えた場合に備えておくことは、家族の生活を守るうえで欠かせません。
生命保険には、死亡保障を中心とするタイプ、入院・手術など医療費に備えるタイプ、働けないリスクに備えるタイプ、がん専用のタイプなど、さまざまな種類があります。
40代では、健康状態に大きな変化が現れる前に備えておくことが重要です。自分のライフスタイルや家族構成、現在の貯蓄や収入をふまえて、必要な保障を過不足なく整えることが理想的な生命保険選びの基本となります。
「自分に合った保険がわからない」「複数の保険商品を比較しても選びきれない」と感じる場合は、保険選びをサポートしてくれるサービスの活用もひとつの手です。たとえば「ほけチョイス」は、スマートフォンやタブレットでいくつかの質問に答えるだけで、自分に最適な保険を簡単に診断できる便利なサービスです。
加えて、保険商品の補足説明や詳細な見積もりは専門の営業担当が丁寧にサポートしてくれるため、納得感をもって商品選びができます。
40代は、生命保険を今の自分にフィットさせるタイミングです。将来の不安を減らし、安心を備えるためにも、必要な保障と保険の目的を明確にし、自分に合った商品を選ぶことが重要です。