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医療保険はなぜいらない?理由と必要性を公的医療保険と比較して解説

医療保険はなぜいらない?理由と必要性を公的医療保険と比較して解説

「医療保険って本当に必要なの?」そう疑問に思ったことはありませんか。近年では「医療保険はいらない」といわれることも増えていますが、その背景には日本の公的医療保険制度の充実があります。

誰もが加入している公的医療保険によって、医療費の自己負担は原則3割に抑えられ、高額療養費制度を利用すれば、一定額を超えた分は払い戻される仕組みになっています。

一方で、民間の医療保険はこうした公的医療保険制度を補うものであり、入院時の差額ベッド代や先進医療の費用など、公的医療保険ではカバーできない部分をサポートします。しかし、十分な貯蓄がある人や、会社の福利厚生が手厚い人にとっては、医療保険の必要性が低い場合もあります。

この記事では、なぜ医療保険が「いらない」と言われるのかを整理しつつ、実際に加入すべき人の特徴や、医療保険が本当に必要なケースについて詳しく解説します。

自分にとって最適な備え方を見直すきっかけにしてみましょう。

医療保険が「いらない」と言われる理由

医療保険が「いらない」と言われる理由

日本では多くの人が民間の医療保険に加入していますが、一方で「医療保険はいらない」という意見も少なくありません。

公益財団法人生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、医療保険・医療特約の世帯加入率は二人以上世帯で95.1%、単身世帯で67.2%と、多くの世帯が医療保険に加入していることがわかります。それでもなお「医療保険が不要」と言われる背景には、公的医療保険制度の充実や費用対効果への疑問など、いくつかの理由があります。

ここでは、医療保険の必要性を考える上で欠かせない、代表的な3つの理由を見ていきましょう。

※参考:2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査|公益財団法人生命保険文化センター

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公的医療保険制度が充実しているから

日本ではすべての国民がいずれかの公的医療保険に加入しており、病院の窓口で支払う医療費は自己負担割合が定められています。原則3割負担ですが、年齢や所得によって異なります。

区分 自己負担割合 備考
6歳未満(未就学児) 2割 自治体によって助成あり(無料の地域も)
6歳〜69歳 3割 一般的な自己負担割合
70歳〜74歳 1〜3割 所得に応じて異なる
75歳以上(後期高齢者医療制度) 1〜3割 所得に応じて異なる

このように、公的医療保険制度によって自己負担が軽減されているため、一定の貯蓄がある人であれば入院や手術が発生しても医療費をまかなえるケースもあります。

そのため、医療保険の必要性を感じない人も少なくありません。

高額医療費制度が用意されているから

高額療養費制度とは、1カ月間に支払った医療費が所得に応じた上限額を超えた場合に、その超過分が払い戻される仕組みです。上限額は所得区分ごとに設定されており、たとえば一般的な所得層では自己負担の上限が約8万円前後となります。

また、「限度額適用認定証」を事前に医療機関へ提示すれば、窓口での支払いを最初から上限額までに抑えることも可能です。

食事代や差額ベッド代は対象外ですが、制度を活用すれば高額な治療費を大幅に軽減できます。こうした仕組みがあるため、医療保険を必ずしも必要と感じない人もいます。

給付を受ける機会が少ないケースがあるから

医療保険で給付金を受け取るには、保険会社が定めた条件を満たす必要があります。そのため、高額な治療を受けても条件外であれば給付の対象にならないことがあります。
たとえば以下のようなケースでは、給付金が支給されないことがあります。

保険の契約開始前にすでに発症していた病気やケガ
入院日数が所定の基準に満たない場合
支払い対象外の軽度な手術(抜歯など)

このように、給付を受ける機会が少ないことも、「医療保険はいらない」と言われる理由のひとつです。自分がどのようなリスクに備えたいのかを整理し、医療保険の必要性を慎重に見極めることが大切です。

医療保険に加入しなくても安心できる人の特徴

医療保険に加入しなくても安心できる人の特徴

医療保険はすべての人にとって必要というわけではありません。ライフスタイルや経済状況によっては、公的医療制度や企業の福利厚生だけで十分に医療費をまかなえるケースもあります。

たとえば、十分な貯蓄がある人や、会社の補助制度が整っている人、公的医療保険制度を上手に活用できる人などは、医療保険に加入しなくても大きな不安なく生活できるでしょう。

ここでは、医療保険の必要性が低いと考えられる3つのタイプを紹介します。自分がどのケースに当てはまるかを確認し、加入の判断材料にしてみましょう。

十分な貯蓄や収入がある人

ある程度の貯蓄や安定した収入がある人は、医療保険に加入しなくても十分に医療費をカバーできる可能性があります。日本の公的医療保険制度では医療費の自己負担が3割に抑えられており、さらに高額療養費制度を活用すれば大きな出費も軽減されます。

たとえば、生活費の半年~1年分を預貯金で確保していれば、入院や手術の際も家計への影響を最小限にできます。月の生活費が20万円の家庭なら、120万~240万円の貯蓄が目安です。

加えて、投資収益や資産運用で生活を維持できる人や、医療費専用の積立を設けている人も、医療保険の必要性は低いといえます。

とはいえ、先進医療や差額ベッド代など想定外の費用が発生することもあるため、資産を定期的に見直し、公的医療保険制度と併用する意識を持つことが大切です。

福利厚生が充実している会社員

企業に勤めていて福利厚生が整っている人は、医療保険への加入が必ずしも必要とは限りません。健康保険組合や共済組合など、被用者向けの公的医療保険には、付加給付や傷病手当金といった手厚い制度が備わっているためです。

たとえば、付加給付によって入院時の自己負担額が月5,000円〜2万円程度で済むケースもあり、傷病手当金では最長1年6カ月間、給与の約3分の2が支給されます。

また、企業によっては団体医療保険を提供しており、先進医療費や差額ベッド代をカバーできる場合もあります。

ただし、退職や転職後には保障が終了することもあるため、将来のライフプランを踏まえて見直すことが重要です。

公的医療保険制度を十分に理解している人

公的医療保険制度を正しく理解し、制度を上手に活用できる人は、医療保険の必要性が低い傾向にあります。高額療養費制度をはじめ、傷病手当金や医療費控除などを組み合わせることで、想定外の出費を効果的にカバーできるためです。

たとえば、年収370万〜770万円程度の一般所得層であれば、1カ月の自己負担上限は80,100円+(総医療費−267,000円)×1%となります。限度額適用認定証を申請しておけば、入院時の窓口支払いを上限額までに抑えることも可能です。(※参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省

また、休業中の収入を補う傷病手当金(標準報酬月額の3分の2)や、医療費が年間10万円を超えた場合の医療費控除を活用すれば、支出の負担をさらに減らせます。

こうした制度を理解して実践できる人は、民間の医療保険に依存しなくても安心して暮らせるでしょう。

医療保険の加入が必要な場合とは

医療保険の加入が必要な場合とは

医療保険は「いらない」と言われることもありますが、すべての人に当てはまるわけではありません。生活環境や働き方、家庭の状況によっては、医療保険の必要性が高いケースもあります。

たとえば、自営業やフリーランスのように公的保障が手薄な人、十分な貯蓄がない人、小さな子どもや扶養家族がいる家庭では、病気やケガによる収入減に備えておくことが重要です。

ここでは、医療保険の加入が特に必要とされる代表的なケースを紹介します。

自営業・フリーランスで保障が十分ではない人

会社員や公務員が加入する健康保険には、傷病手当金などの所得補償制度がありますが、自営業やフリーランスが加入する国民健康保険にはそれがありません。そのため、病気やケガで働けなくなった場合、収入が途絶えてしまうリスクがあります。

医療費の自己負担を軽減する高額療養費制度は利用できますが、生活費そのものを補う仕組みはないため、医療保険で備えておくことが安心です。特に、長期入院や治療によって収入が不安定になる可能性がある人は、保険を通じて生活の安定を確保することが重要です。

つまり、自営業やフリーランスにとって医療保険は、治療費だけでなく「収入減への備え」としても必要な役割を果たします。

高額な先進医療を受ける可能性がある人

先進医療は、厚生労働省が認可した高度な医療技術を用いた治療ですが、公的医療保険の対象外となるケースが多く、全額自己負担となる場合があります。費用は数十万円から数百万円に上ることもあり、貯蓄だけでまかなうのは難しい場合もあります。

医療保険には、こうした先進医療費をカバーできる特約を付けられるプランがあり、費用負担を大幅に軽減できます。また、がんや女性特有の病気に特化したプランなど、将来的なリスクに備えられる商品も増えています。

このように、万が一高額な治療が必要になった際に備える意味でも、医療保険は経済的な安心を支える重要な手段といえるでしょう。

小さな子どもや扶養家族がいる世帯

家族を支える立場にある人にとって、医療保険は万が一のリスクに備える大切な仕組みです。特に小さな子どもがいる家庭では、教育費や生活費など、将来に向けて必要な支出が多く、収入が途絶えると家計への影響が大きくなります。

もし主な収入源である親が病気やケガで働けなくなった場合、子どもの教育資金の準備が滞ったり、進学の選択肢が制限されたりする可能性があります。医療保険に加入しておけば、入院や治療で収入が減っても家計を維持し、家族の生活基盤を守ることができます。

つまり、医療保険は「家族の安心」を支える備えとして、特に扶養家族を持つ世帯にとって必要性が高いといえます。

医療保険の必要性を考える

医療保険の必要性を考える

これまで、医療保険はいらないといわれる理由を見てきましたが、実際には多くの人が医療保険に加入しています。公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、民間の医療保険の加入率は世帯で9割を超えており、多くの人が必要性を感じていることがわかります。

では、なぜ医療保険が必要とされるのでしょうか。その理由を、公的医療保険だけではまかないきれない部分に焦点を当てて解説します。

【関連記事】
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公的医療保険対象外の治療費をカバーできる

公的医療保険では、医療費の自己負担を軽減できる一方で、すべての治療や費用が対象になるわけではありません。たとえば、入院時の食事代や差額ベッド代、先進医療や自由診療といった高額な治療費は自己負担となります。

こうした費用は治療内容によって大きく異なり、先進医療の中には数十万円から数百万円かかるものもあります。たとえ効果的な治療法が見つかっても、費用面の負担から選択をためらうケースもあるでしょう。

民間の医療保険に加入していれば、契約内容に応じて先進医療の技術料や長期入院による追加費用をカバーでき、安心して治療を受けることができます。

つまり、公的医療保険で補いきれない部分を支えるのが医療保険の大きな役割です。

生活費の不足分をカバーできる

長期の入院や療養が続くと、治療費以外にも生活費や収入減による家計の圧迫が問題になります。実際、公益財団法人生命保険文化センターの「2022年度 生活保障に関する調査」によると、入院による逸失収入の平均額は約27.3万円に上ります。

最も多いのは「10~20万円未満」(32.1%)、次いで「20~30万円未満」(17.3%)と、多くの人が一時的な収入減に直面しています。

会社員や公務員であれば傷病手当金を受け取れますが、支給額は平均日給の約3分の2、期間も最長1年6カ月までと限りがあります。とくに長期療養が必要な場合や自営業者の場合、生活費をまかなうには十分ではないケースもあります。

こうした不足分を補えるのが医療保険のメリットです。給付金を受け取ることで、治療中でも家計を維持し、生活の安定を保てるため、経済的な不安を大きく軽減できます。

※参考:2025(令和7)年度「生活保障に関する調査」(速報版)|公益財団法人生命保険文化センター

医療保険に加入するなら知っておくべきポイント

医療保険に加入するなら知っておくべきポイント

医療保険を選ぶときは、すべてを細かく比較する必要はありませんが、外せない基準を押さえるだけで失敗は防げます。

要点は「何を保障するか」「どれくらいの期間・負担で続けるか」「貯蓄性を持たせるか」の3つです。これらを自分の生活と将来設計に当てはめれば、過不足のない保障を効率よく選べます。

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医療保険に加入するなら知っておくべきポイント

保障内容と特約

まずは「入院・手術でいくら受け取れるか」を基準にし、次に自分のリスクに合う特約を最小限で足すのが効率的です。入院は日額型や一時金型、手術は定額または倍率連動が一般的で、どちらも給付条件(対象手術・支払限度日数)を確認します。

先進医療や三大疾病、女性特有疾患などは、必要な人にだけ特約で上乗せすれば、保険料を抑えつつ備えられます。要するに「基礎はシンプルに、特約は目的別に」組むのが失敗しないコツです。

保険期間と保険料の払込期間

定期保険は契約当初の保険料が抑えやすい反面、更新で上がる前提。終身保険は加入時の保険料が固定され、長期で見ると安定します。払込は「一生払い(終身払)」なら月々軽く、「短期払」なら定年前に完了して老後の固定費を減らせます。

自分のキャッシュフローに合わせ、いつまで・どれくらいの負担で続けたいかを決めれば、無理なく継続できる設計になります。

貯蓄型と掛け捨て型

掛け捨て型は解約返戻金がない代わりに保険料が割安で、必要な保障を広く・薄く確保しやすいのが強み。貯蓄型は解約返戻金や祝金などの仕組みで「使わなかった分が戻る」メリットがある一方、保険料は高くなりがちです。

どちらが自分に必要かは、「保険に貯蓄性を求めるか、それとも純粋にリスク移転に徹するか」で決まります。

結論として、短中期の負担を抑えたい人は掛け捨て型、資金計画と一体で管理したい人は貯蓄型が向いています。

医療保険の必要性のまとめ

医療保険の必要性のまとめ

医療保険はいらないと考える人もいますが、すべての人に当てはまるわけではありません。公的医療保険だけでは補いきれない費用や、働けなくなった際の生活費の補填など、医療保険には一定の役割があります。

特に、自営業やフリーランスなど公的保障が手薄な人や、貯蓄が十分でない家庭、小さな子どもを育てる世帯にとっては、医療保険は生活を支える大切な備えとなるでしょう。

自身の働き方や家族構成、将来のライフプランを踏まえて、どのような保障が必要なのかを見極めることが重要です。安心して治療に専念するためにも、必要に応じて医療保険の活用を検討してみましょう。

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